肝心なひと言が、どうしても切り出せない…
営業していると、こういうジレンマに直面することが結構ありますよね。
たとえば、
- 新商品の案内をしたい
- 紹介をお願いしたい
- 改めて時間をもらいたい
ひと言が言い出せないのはメンタルブロックが作動しているからです。
こんなとき、
「言ったもん勝ちやん」
「命までは取られへんし」
なんて、励まされても言えないときは言えないものです。
精神力を鍛えることも大切です、
が、それよりも、精神的な負担を軽くする方法を考えましょう。
そんな方法があるのか、と思うかもしれませんが、それがあるのです。
それは、事前に「あるイエス」をもらっておく、という方法です。
「あるイエス」とは、次の2つ。
- 許可のイエス
- 同意のイエス
実はこの方法、とっても簡単で、かつ効果絶大なのです。
もし、ガラスのメンタルに悩んでいるのなら、ぜひ習得してみてください。
今よりはずっと営業が楽しくなるはずです。
すべての問題はタイミング
肝心なひと言が切り出せない、という問題。
実はその原因は単純で、単なる「準備不足」です。
具体的には、次の2つを決めずに本番に臨んでいるということ。
それは、
- どう切り出すのか
- いつ切り出すのか
多くの人は、「何をどう話すか」は考えていても、それをいつ、どうやって切り出すのかについては、あまり考えていません。
特に重要なのは、いつ切り出すのか、というタイミングです。
大半の営業マンは、「ま、それについては状況に応じて」といった感じで本番に臨んでいます。(本人は臨機応変と思っている)
しかし、結局はタイミングがつかめず、そのままタイムオーバーになってしまうのです。
どうでしょうか。
図星だ、という人も多いんじゃないでしょうか(笑)
もし、その自覚があるなら、何よりもまず「事前準備」が大切なのだ、ということを肝に銘じておきましょう。
では、その具体的な方法をお教えします。
2ステップに分ける
肝心な話を切り出すための最大のポイントは、前述のとおりタイミングです。
このタイミングをシステマチックにすることで、もじもじすることなく切り出すことができます。
具体的には、次の2ステップに分けるのです。
- 最初に予告をしておく
- 用意していた話をする
たったこれだけ、です。
たとえば、既存のお客様のところへ行って新商品の案内をしよう、と考えたとします。
でも、いざ行ってみるとそれをなかなか切り出せない、ということが結構あります。
そんなことにならないよう、軽い感じで最初に予告をしておくのです。
拍子抜けするほど簡単ですが、実は多くのメリットがあります。
一つは、事前に予告されると見込客も心の準備ができる、という点です。
人は予期せぬことをいきなり言われると反射的に拒絶するものですが、それを防ぐことができます。
もうひとつは、営業サイドの精神的な負担が軽いことです。
いきなり本題を切り出すのではなく、ただ予告するだけならずっと気が楽なはずです。
また、いったん予告しておけば、そのあと切り出すのも楽勝です。
そして、なによりも最大のメリットは、最難関だったタイミングの問題を解決できることです。
ただ、これでもまだハードルが高い、と感じる人もいるかもしれません。
なので、さらにハードルを下げていきましょう。
許可のイエス、同意のイエス
営業の世界には、イエス誘導法とか、イエスセット話法とか、ちょっと怪しげな名前の心理テクニックがあります。
要は、確実にイエスがもらえる質問で見込客を誘導し、最終的なイエスをもらうという方法です。
確かに効果はあります.
しかし、こうした心理テクニックを使って「誘導」するというのは、個人的には好きではありません。
これは、テクニックというより手口です。
それよりも、もっと効果のあるちゃんとしたイエスをもらいましょう。
それが、「許可」のイエスと、「同意」のイエスです。
実際には、許可も同意も同じなのですが、主語の違いを分かりやするために、便宜上、以下のように定義してみます。
- 許可のイエス
「~してもいいですか?」 - 同意のイエス
「~してもらってもいいですか?」
この許可と同意のイエスを、前述の「最初に予告しておく」のところで使うのです。
すると、「予告する」が「打診する」に変わり、ハードルが下がります。
たとえば、「許可」のイエスであれば、
この事例では、新商品の案内をさせてもらう、ということの許可をもらっています。
なので、案内をする方も、される方もまったく違和感がありません。
同じケースを「同意」のイエスにすると、
これは、見込客に「~してください」という依頼に対しての同意をもらうので、ニュアンス的には許可よりもパワフルになります。
ご存じのとおり、人には一貫性の法則というのがあって、ちゃんしたイエスをもらっていれば、見込客はその通りにしてくれます。
ただ、購入をすすめる、紹介をもらうなど、かなりメンタルにブレーキがかかる場合はどうでしょうか。
そういう場合は、もう一工夫必要です。
実は、とっても簡単にハードルを下げる方法があります。
それは、「もし、~なら」を使う方法です。
「もし、~なら」を使う
まず、「もし、~なら、○○してください」という形を覚えてしまいましょう。
これは、日常でもよく使っているはずです。
実は、この「もし、~なら」という形は、「もし、~でなければ」と二者択一になっています。
つまり、条件付きのリクエストなので、見込客には「ノー」と言える選択肢があるのです。
そのため、余程のことがない限り、イエスをもらうことができます。
もちろん、使う営業サイドの精神的負担も軽くします。
いくつか事例を挙げてみましょう。
もし、「なるほど」と思ったときは、最後にご紹介をお願いしますね。
もし、少しでも該当する場合は、改めてお時間を頂いてもいいですか?
もし、ご納得された場合は、僕に任せてもらってもいいですか?
どうでしょうか。
タイミングを見計らって、切り出すよりもはるかに自然で楽だと思いませんか。
しっかり準備を整える
ここまでをまとめておきます。
- 予告をして2ステップにする
- 許可と同意のイエスをもらう
- 「もし~なら、○○してください」
これならできそう、と思ったかもしれません。
しかし、実際にやろうとすると、やはりそれなりのプレッシャーがかかり、思ったようにはできないはずです。
そうならないように、事前にしっかりと準備しておきましょう。
まずスクリプト(台本)を作り、練習をしてイメージをつかんでおくことです。
他の記事でも言いましたが、「わかった」と「できる」は同じではありません。
ちなみに、事前準備というと、情報収集と資料や必要書類の用意、と思っている人が大半です。
しかし、それは違います。
本当の事前準備とは、その情報や資料をどうやって使うのか、というイメージをつかんでおくことなのです。
イメージさえつかめば、かならず成功するはずです。
まとめ
営業はメンタルブロックとの闘いといえるかもしれません。
乗り越えることも大切ですが、創意工夫をして解決することもできます。
今回、ご紹介した方法も自分なりにブラッシュアップしながら、ぜひ実践してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。