ちょっと考えたい…
相談します…
他社も見てみたい…
おそらく、これらは「営業マンが聞きたくないフレーズ・ Best 3」のはずです。
もちろん、営業は「NO!」と言われてからが勝負ですが、できれば一発でイエスがもらいたいですよね。
では、なぜ即決してもらえないのでしょうか?
それは、単純に
見込客が必要性を感じなかったからです。
つまり、「いいのはわかるけど、ホントに必要かな?」という疑問が解消できていないのです。
実は、商談では次の2つがクリアにならないと購入には至りません。
- 信用してもいいのか(信用性)
- 買う必要があるのか(必要性)
では、なぜ必要性を感じてもらえないのでしょう。
それは、商談にあるものが欠けているからです。
それは、「リアリティ」です。
「リアリティ」が欠けた商談は決め手に欠けます。
では、商談における「リアリティ」とはいったい何なのでしょうか。
Contents
即決のカギは必要性にある
大切なことなので、もう一度確認しておきましょう。
- 信用してもいいのか(信用性)
- 買う必要があるのか(必要性)
この2つが購入の決め手になります。
でも、次のような疑問を感じる人もいるはずです。
「そりゃそうだけど、最後はやっぱり価格でしょ!」
もちろん、「価格」は重要な要素ですし、見込客にも予算があります。
だからといって、価格が最大の決定要因ということは、営業ではほとんどありません。
なぜなら、「見込客が支払ってもいい」と思う金額は、「信用性」と「必要性」によって大きく変わるからです。
「価格」は多くの営業マンが思っているほど、購入を左右する大きな要因ではないのです。
では、必要性を感じてもらうにはどうしたらいいのか、を考えていきましょう。
そもそも何を売っているのか
まず、セールスをシンプルに分解します。
実は、セールスはたった4つの要素で成り立っています。
この4要素の中で、「必要性」に直結してるのは、「何を」です。
では、少し時間をとって、次の質問を考えてみてください。
Q:あなたは『何』を売っているのですか?
言語化できたでしょうか?
研修などでは、だいたい次のような答えが返ってきます。
「信用、信頼を売っている」
「ベネフィットを売っている」
「自分という商品を売っている」
どれも素敵な答えだと思います。
ただ残念ながら、営業の本質をがつかめていない可能性もあります。
ここは、営業マン目線ではなく、相手目線で考えてみましょう。
そもそも、人はなぜ買うのでしょうか?
それは、何か解決したい問題や課題があるから、です。
つまり、売っているものが何であれ、それは「問題の解決策」だ、ということになります。
そして一般的には、これが模範解答ということになっています。
しかし…
ここで思考停止していると、かなり危険です。
それはなぜでしょうか。
すべては「未来」の話
営業マンの売っているものは、「問題の解決策」です。
では、次の質問を考えてみてください。
Q:その問題はいつ解決するのでしょう?
見込客の問題は、購入したり、契約した瞬間に消滅するのでしょうか。
おそらく、そうではないはずです。
もうひとつ質問です。
Q:問題は必ず解決するのでしょうか?
過去に自分が購入したものを思い出してみてください。
いつも期待通りの結果が得られたでしょうか。
結局、問題がいつ解決するのか、本当に解決するのかは、わからないということです。
なぜなら、すべて「未来」のことだからです。
売っているのは未来の可能性
結局、わたしたち営業マンが売っているものは何なのでしょうか。
それは、未来の可能性 です。
つまり、見込客が買ったものが何であれ、それはあくまでも問題解決の「可能性」なのです。
このことを、しっかりと理解しておくことは、非常に重要です。
なぜなら、即決してもらうカギがここにあるからです。
購入決定は想像の世界で行われている
売っているものは、問題解決の可能性。
だとしたら、なぜ見込客はそれを買うのでしょうか。
それは、次の2つの欲求があるからです。
- 理想の未来を実現したい
- 最悪な未来は回避したい
問題を解決することによって、これらの欲求を満たそうとしているのです。
ここでの重要なキーワードは「未来」です。
つまり、見込客の意識を未来に向けなければ、商談はうまくいきません。
にもかかわらず、多くの営業マンは、現状の問題や、商品・サービスのメリットなど、論理的な話ばかりをしています。
これらは、未来ではなく「今、ここ」の話です。
ところで、その「未来」ってどこにあるのでしょうか。
実は、頭の中にしか存在していないのです。
つまり、どんな未来であっても、それはすべて想像・イメージの世界なのです。
結局、購入の意志決定は、すべて想像の世界で行われている、ということです。
ここで、必要になってくるの「リアリティ」です。
未来を「見える化」する
購入に至らない…
即決してもらえない…
これらは、見込客には「リアルな未来がイメージできなかった」という結果です。
リアリティを感じられない未来にお金を払おうとする人はいません。
実は、ここに営業のコツがあります。
つまり、未来をリアルに「見える化」してあげればいいのです。
具体的は次の2つを「見える化」する必要があります。
- 理想とする未来のイメージ
- それが実現する可能性
理想とする未来がはっきりしなければ、現状を変えようとは思いません。
また、実現の可能性を感じなければ、解決策を購入しようとは思いません。
では、どうやってこれらを「見える化」できるのかを考えてみましょう。
ここでは、3つの方法を挙げてみます。
- 制約を外して考えてもらう
- 問題解決の先を想像してもらう
- 実際の顧客事例を示す
制約を外して考えてもらう
「もし、お金の心配がなかったら…」
「もし、自分に決定権があったら…」
人は、いろいろな制約の中で生きています。
そのため、理想を聞いても「どうせ○○だから」と、想像力が起動しません。
なので、「もし、○○だったら…」という質問で、見込客の心の中の制約を外してもらいます。
質問を投げかけ、想像してもらい、答えてもらう。
見込客は、次第にリアリティのある未来をイメージできるようになるはずです。
問題解決の先を想像してもらう
問題解決をゴールにしないで、さらにその先を想像してもらうようにします。
そうすることで、見込客は問題を解決の必要性をリアルに感じることができます。
実際の顧客事例を示す
人が何かを買うとき、それで本当に問題が解決するのか、という不安を抱きます。
疑っているのは、「可能性」です。
なので、商談ではその可能性をできるだけ見える化して伝える必要があります。
そのもっとも説得力の高い方法の1つが、実例の紹介です。
BtoBの営業であれば、他社の導入事例、BtoCの営業であれば、お客様のエピソードや声です。
特に、それらをデータで示すことができれば、高い効果が見込めます。
また、直接、問題を指摘されると抵抗する見込客も、第三者のエピソードであれば素直に受け入れることができます。
もちろん、顧客の実例やデータは、事前にしっかりと準備しておきましょう。
【補足】営業=問題解決だ、という落とし穴
営業とは、見込客の抱える問題を解決する仕事です。
これは、間違いがありません。
ただ、営業=問題解決である、という認識がもたらしている弊害もあります。
よくあるパターンは次のようなものです。
- 見込客のあら探しをして嫌われる
- 一方的に問題を決めつけて嫌われる
営業=問題解決、ということは、そこに「問題」がなければ商売にならない、ということです。
しかし、実際の営業現場では、自らの問題や悩みを最初からオープンにしてくれる見込客はまずいません。
その結果、問題探しに躍起になったり、「これが問題ですよね」と一方的に決めつけたり、といったことが、そこらじゅうで起こっています。
いずれにしても、見込客を不快な気分にさせていることは間違いがありません。
では、どうすればいいのか。
まず、問題を見つけようという意識をきれいさっぱり捨てることです。
問題ではなく、見込客が「満足」していることに聞いてみましょう。
満足していることをたくさん聞き出して、「いいですね」と共感するのです。
そして、最後に
「今、100%満足されているんですね」
と言ってみましょう。
すると、どうなるのか?
それについては、ぜひ現場でやってみてください。(結果については保証しません)
まとめ
最後までお読み頂きありがとうございました。
「今とは違う未来」を手にしたい。
見込客がモノやサービスを買うのは、そうした欲求があるからです。
その欲求に応えるために必要なこと。
それは、未来を見込客と共有することです。
ただし、その未来とは、今、ここにない想像の世界です。
だからこそ、「リアリティ」が必要不可欠なのです。
もし、即決してもらえないという悩みがある人は、商談にリアリティがあるか振り返ってみましょう。