営業は結果がすべてなので、やり方や進め方に正解はありません。
ただ成約率が低いとか、返事待ちになってしまう、といった現象が多発しているとしたら、それは商談の主導権が握れていないという証です。
そんな皆さんに、商談の主導権を握れる魔法のフレーズがあるのでご紹介したいと思います。
そのフレーズとは、
「もし~だったら?」
この「もし~だったら?」という仮の話を前提にして進める話法を「推定承諾話法」と言います。
もし実践できるようになったら、商談を思い通りに進めることができ、成約率が格段にアップすること請け合いです!
Contents
最大の効果は心理的抵抗の軽減
「もし~だったら?」というフレーズを使うとどんな効果があるのでしょうか。
さまざまな効果があるんですが、何と言ってもその最大の効果は、
心理的な抵抗を軽減できること
実はこの「もし~だったら」という質問は、「もし~でなかったら」と暗黙の二択になっています。
つまり、”~でなかったら” という逃げ道が見込客に用意されているのです。
そのため、見込客は「あくまでも仮のお話ね」という軽い気持ちになれるわけです。
それだけではありません。
見込客の心理的抵抗が少ないということは、裏を返せば営業マンの心理的抵抗も少ないということです。
商談の主導権が握れない最大の要因は、見込客に対する恐れです。
そのため、肝心なことを聞く勇気がない、という営業マンも多いと思うのです。
ところが、このフレーズはそれを解消してくれるので、商談の主導権を失うこともなくなります。
これでも言いにくいと感じる場合は、頭に「あくまでも仮のお話ですが」とか「ちなみにですけど」などを付けると言いやすくなるはずです。
「もし~だったら?」の具体的な使い方
ここでは、使い勝手のいい4パターンをご紹介します。
これらは、いくらでも応用できるので是非マスターしてみて下さい。
- 「もし~だったら、~して下さい」
- 「もし~できるとしたら、いかがですか?」
- 「もし~があるとしたら、それは何ですか?」
- 「もし~するとしたら、どちらにしますか?」
「もし~だったら、~して下さい」
これは商談を始める前に、「もし~」という条件付きのオファーを出すパターンです。
上記の事例は、次につなげる布石を打っておく、という使い方ですが、次回のアポを取るのが苦手な人は是非使ってみて下さい。
それ以外の事例も挙げてみましょう。(いずれも実証済みです)
● 先入観を消滅させる
「いろいろお考えはあると思いますが、もし可能であれば、白紙の状態で聞いてもらえますか?」
● 警戒心を解く⑴
「もし気になることがあれば、途中でどんどんツッコミ入れていただいて大丈夫です」
● 警戒心を解く⑵
「もし自分には関係ないと思われたときは、そこで止めてください。すぐに退場いたしますので」
※警戒心を解く最も効果的な方法は笑いを誘うことです。
更にもう一つ、テストクロージングとして使う方法をご紹介しておきます。
「もし~できるとしたら、いかがですか?」
残念な営業マンがやりがちなのが、必要性やメリットを一方的に説明してしまうことです。
これでは売り込まれてる感じがしますし、何よりも見込客がそれを自分事として感じてくれたのかどうかが分かりません。
たとえば、
「購入後5年間は24時間の無料サポートが付いてます」という説明をしても、おそらく「ふーん、そうなの」で終わってしまいます。
こういった一方的な説明を「もし~できるとしたら」に変えるのです。
しかも購入後5年間は無料なんです!
気づいたかもしれませんが、トークを工夫することによって、ちょっとしたことをすごいことのように伝えることもできます。
そんな事例をもう一つ挙げておきます。
「これは一生涯の保障がある終身保険で、保険料の払込みは60歳までです」という普通の説明を「もし~できたら?」に変えてみると、
でも保険料も一生払えと言われたらどうですか?
では、もし保障はそのままで、支払いだけ60歳で終わるようにできたらいかがですか?
このようにあたり前のことでも、ちょっとしたメリットのように伝えられます。
今、使っているトークを「もし~できるとしたら」に変えるだけなので、ぜひトライして欲しいと思います。
「もし~があるとしたら、それは何ですか?」
これもいろんな場面で、いろんな使い方ができますが、特に使ってもらいたいのが購入の障害になりそうなことや不安などを確認したいときです。
後々、反論されそうなことを察知できれば、さらに「もし~だったら」を使って事前に手を打つことができます。
もう一つ事例を。
こうした質問をすることによって、見込客の購入の意志を確認することもできます。
ちなみに補足ですが、「一番気になることは?」「一番障害になるのは?」というふうに、「一番」という言葉を付けると、より精度の高い回答が得られます。
「もし~するとしたら、どれにしますか?」
このパターンは最終のクロージングで使います。
クロージングは、断られたくないという意識が働くとうまくできなかったり、甘くなったりします。
そんなときに使えるのが、「もし購入するとしたら?+二者択一」のパターンです。
コツとしては2つくらいの組み合わせで使い、そのまま当たり前のように購入手続きに導入することです。
(これを暗黙のクロージングと言います)
一例を挙げると、
実際にやってみれば分かりますが、思ってる以上にすんなりいきます。
特に決断力のない見込客の場合は、この暗黙のクロージングが効果的です。
その他の具体的な使い方
ここまで汎用性の高い4パターンをご紹介しました。
実はこれ以外にも「もし~だったら?」のパターンはたくさんありますので、いくつかご紹介しておきましょう。
これらはすべてテストクロージングになります。
● 相手にメリットを言ってもらう
「もし購入された場合、最大のメリットは何ですか?」
「もしこの商品にしたら、どれくらいの節約になると思いますか?」
● ニーズを明確にしていく
「もし検討するとしたら、何を一番重視されますか?」
「もし購入するとしたら、どなたが一番喜びますか?」
● 購入の意思を確認する
「もし気に入っていただけた場合、購入の可能性はありますか?」
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
この「もし~だったら?」を使えば、見込客は主体性を感じられるため、売りつけられた感じがしなくなります。
また将来のイメージも湧きやすくなるので購入のグッと可能性も高くなります。
少しずつ使えるフレーズを増やしていけば、それだけで成約率をアップさせることができるので、ぜひ自分の武器にしてください。