あなたは見込客に好かれている自信がありますか?
もし、なかなか成約に至らないというのなら、その原因は見込客に嫌われたからかもしれません。
営業は嫌われたら、そこでおしまいです。
どれだけ時代が変わってもそこに人がいる限り、この原理原則は変わりません。
もし、営業マンは嫌いだけど買う、ということがあったとしたら、その商品を売るのに営業マンは不要だという証です。
ただ、こういう話を研修などですると、ほぼ全員が「自分は関係ないね」といった顔をしています。
でも、本当にそうでしょうか?
見込客に好かれたのか、嫌われたのかは、感受性の鋭い人でもわかりにくいものです。
実際、自分は好かれている、という自己評価も、たいていは単なる思い過ごしです。
そのため、できる営業マンは得点を取ることよりも、失点をしないことを常に意識しています。
一方、残念な営業マンは知らないところで失点を重ね、結局、見込客に嫌われる羽目になっています。
この記事では、そうした営業マンの特徴ベスト5を挙げたいと思います。
第5位:競合他社の悪口を言う
嫌われる営業、第5位は「他社批判」です。
僕は生命保険業界にいましたが、営業現場では競合他社の批判や商品の悪口を言う営業マンがごまんといました。
中には、経済誌に掲載された保険会社ランキングなど使って他社を批判する低レベルな営業マンもいました。(ちなみこれは保険業法違反行為)
残念ながら、そういう営業マンは100%売れていません。
とはいえ、僕も駆け出しの頃は似たようなことをやっていました。
そのとき、当時のボスに、
「おまえ、いきなり他人に『そのネクタイ、趣味悪いですね』って言われて気分いい奴なんておると思うか?」
と、ボロカス言われた経験があります(泣)
見込客が、どこの会社のどういう商品を使っているにしろ、それは最終的には自らの意思で買ったものです。
会社や商品の悪口を言うのは、その見込客の意思を全否定しているのと同じです。
特に注意したいのは、見込客の方から、「この会社大丈夫でしょうか」とか、「この商品ってダメですよね?」って振られたときです。
待ってました、とばかりに飛びついて、得意満面で問題点を指摘する営業マンがいますが、間違いなく撃沈します。
売れる営業マンは、決して競合他社の批判や商品の悪口を言いません。
仮に現状の問題点について指摘する場合であっても、それが批判や否定にならないように細心の注意を払っています。
ちなみに余談ですが、競合の悪口や他社商品の否定をするタイプの営業マンは、自社や自社商品に対しても文句を言う人が多く、社内でも嫌われたりしています(悲)
第4位:段取りが悪すぎる
嫌われる営業、第4位は「段取り」です。
たとえば、こんな営業マンに遭遇したことありませんか?
カバンから必要なものがすぐに出てこない…
出したパンフや書類の端が折れ曲がっている…
ボールペンのインクが出ない…
おまけにカバンからは週刊誌が覗いている…
こういうのは、完全にアウトです。
しかも、このタイプの営業マンは、事務手続きなどでミスも連発したりして見込客をさらに失望させたりします。
これは、もう準備不足というより、それ以前の仕事に取り組む姿勢の問題です。
外資系の保険会社でマネージャーをしていたころ、超のつくトップ営業マンたちの商談にジョイントする機会が何度もありました。
彼らは、どんな些細なミスも犯さないよう入念に準備をするのはもちろん、予定外のことが起っても対応できるようにして商談に臨んでいました。
彼らがそこまでやるのは、たった一度のミスや不手際で、すべてが無に帰すことがあるということを身体で知っているからです。
たかが段取り、されど段取りなのです。
第3位:結論から話せない
第3位は、「結論から話せない」です。
「結論から話せ」というのは、ほとんどに人にとっては耳タコだと思います。
ところが、それを実践できているという人は圧倒的に少ないのです。
ところで、なぜ結論から話せと言われるのでしょうか?
それは、結論が分からないと、聞き手がそれを推測しなければならなくなるからです。
他人に話を聞かされるだけでも苦痛なのに、こうなるともう地獄です。
ビジネスでは、できるだけ短く、わかりやすくが基本です。
それにしても、どうして結論から話せない人が多いのでしょうか。
観察していると、以下のような状況が考えられます。
- 何か言い訳したいことがあるとき
- 言いたいことがたくさんあるとき
- 出来事を聞いてもらいたいとき
- そもそも結論を考えていないとき
まだまだあるかもしれません。
しかし、ここで押さえておくべき重要なことがあります。
それは、要因が分かったところで、結論から話せるようには決してならないということです。
なぜなら、「結論から話す」というのは正真正銘の「技術」だからです。
つまり、何の鍛錬も積まずに身につくほど簡単なものではないのです。
習得するには、繰り返し練習する以外に方法はありません。
第2位:レスポンスが遅い
嫌われる営業、第2位は「レスポンスが遅い」です。
これはもうほぼ説明不要だと思います。
レスポンスが遅い営業マンが信頼されたりすることは100%ありません。
実際、保険会社にいたころ、レスポンスが遅いというだけで苦情にまで発展したケースは山ほどありました。
しかし、レスポンスが遅いという自覚がない営業マンが多いのも事実です。
時間に対する感覚は、育った環境なのか、受けた教育なのか、はたまた性格なのかわかりませんが、とにかく人によってまちまちです。
なので、自分の時間感覚を基準に仕事をするのはある意味危険です。
また、待たす立場と待たされる立場とでは、言うまでもなく「時間感覚」がまったく違います。
優秀な営業マンは、そのことをよく理解しています。
僕も若いころ、尊敬する優秀な先輩から、「お客様への郵送物はすべて速達で送れ」と教わったことがあり、「すごいな」と思ったことがあります。
顧客や見込客の信頼を失いたくないのなら、クイックレスポンスには徹底的にこだわるべきです。
第1位:営業してこない
見込客に嫌われる営業の第1位は、「営業してこない」です。
ちょっと意外だったかもしれませんね。
ちなみに、ここでいう「営業する」というのは、売り込むということではなく、やるべきことを最後までやりきること、です。
あたり前ですけど、営業されるのが好きだ、という人はいません。
しかし、営業マンに時間を無駄にされるのはもっと苦痛です。
にもかかわらず、見込客のちょっとした態度や反応によって、自ら戦線離脱してしまう営業マンがかなりたくさんいます。
そういう営業マンは、営業だか雑談だかよくわからない中途半端な話をして、最後は「See you again」で帰っていきます。
見込客にしたら時間を取られただけで、何も得ることができないわけです。
なぜ、こうなってしまうのか、というと大きく2つ理由があります。
- 見込客を恐れている
- やるべきことが決まっていない
見込客を恐れている
見込客と営業マンは対等な関係です。
しかし、うまくいかない営業マンは、見込客の「NO」を必要以上に恐れています。
そのため、見込客の顔色を伺う営業になってしまうのです。
当の本人は、機嫌を損ねないように気を遣っているつもりですが、その腰の引けた態度が逆に見込客をうんざりさせているのです。
結局、嫌われたくないと思ってやっていることが、嫌われる原因になっているのです。
やるべきことが決まっていない
そもそもですが、営業は「NO」を用意して待ち構えている見込客と対峙する仕事です。
つまり、その「NO」を乗り越えなければ、試合は始まらないのです。
であるならば、勝つための作戦を用意周到に準備しておくことが不可欠です。
しかし、どういうわけか売れていない営業マンほどその準備をせず、人間関係さえできれば買ってもらえるという大きな勘違いをしています。
それでうまくいくこともありますが、それは出たとこ勝負の営業でまったく再現性がありません。
そもそも人間関係だけで売れると考えること自体、見込客に失礼です。
ということで、うんざりさせる第1位が「営業をしてこない」の意味が分かってもらえたでしょうか?
営業マンはどんな状況でも、やるべきことを最後までやりきるという意思をもって商談に臨むべきです。
まとめ
営業では、誰もが見込客に好かれたいと思っています。
その気持ちはとても大切です。
しかし、営業は減点制のゲームでもあります。
まずは失点しないことを意識してみましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。